【簡単解説】なぜ「ドル」は世界のお金になったのか?
── 吉田繁治先生の本から学んだ金融の仕組み
吉田繁治先生の本は、「難しいけど、本質がわかる」とよく言われます。
私も最初は難しく感じましたが、読んでいくうちに「お金の本質」に気づかされる内容が多く、何度も読み返してきました。
特に印象に残っているのは、**なぜ米ドルが世界のお金(基軸通貨)になったのか?**という話です。
ドルはどうやって世界のお金になったのか?
吉田先生の本を簡単にまとめると、
「ドルの仕組み」を理解すること=世界経済の仕組みを知ることだと感じています。
米国は以下の3つを成功させることで、ドルを「世界のお金」にしてきました。
① 石油はドルでしか買えない仕組みを作った
世界中の産油国(特に中東)に、「原油はドルで売る」と約束させました。
これによって、どこの国も「石油を買うためにドルを持つ必要」が生まれたのです。
これがいわゆる**「ペトロダラー体制」**です。
② 日本にドルを買わせた
1990年まで、日本は世界最大の貿易黒字国でした。
つまり「日本が輸出して稼いだお金(=ドル)」が大量に日本の銀行に貯まっていきました。
このドルをどうしたかというと、
アメリカ国債(ドル建ての借金)を買わせたんです。
これにより、アメリカは自国の赤字を補うために「日本にお金を貸してもらう」形を作りました。
③ 中国の人民元を「ドルに固定」させた
1994年からは、中国が人民元を**ドルにペッグ(固定)**しました。
つまり、中国は「ドルのレートを一定に保つためにドルを大量に持つ」ようになったんです。
中国も日本と同じく、稼いだドルでアメリカ国債を買いました。
この仕組みで、アメリカはお金をどんどん刷っても、世界がそれを受け入れる体制ができたのです。
赤字でも大丈夫なアメリカの不思議なシステム
普通、赤字が続く国は信用を失って通貨が下がります。
でもアメリカは違います。
なぜなら、世界中が「ドル」を欲しがり、集めているからです。
しかも、集めたドルは最終的にまたアメリカの銀行に戻ってきます。
これが「ドルが世界の基軸通貨であり続ける理由」です。
- 下のグラフは2025年7月現在の米国マネーストック(借用証書)量です。直近で最高値を突破していきそうです。

Trading viewから引用
マネーストックが増え続ければ株価・コモディティ商品などの資産がインフレへと向かいます。自然と金銀価格にも(プラスの)影響を与えます。
【まとめ】お金の本質と「金・銀」の価値を考える
吉田繁治先生の本を読むと、私たちが普段何気なく使っている「お金(通貨)」の本質が見えてきます。
先生は、通貨とは「物を買う権利」であると定義しています。
昔はその「権利」の裏付けに金(ゴールド)がありましたが、1971年のニクソン・ショックでその約束は破られました。
それ以降、アメリカは石油(ペトロダラー)を担保にドルを世界のお金にしたという歴史があります。
さらに、日本や中国などの貿易黒字国は、稼いだドルでアメリカの国債を買い続けてきました。
この仕組みが、結果的に赤字を垂れ流すアメリカを支える構造になっているのです。
今、日米ともに**巨額の金融負債(借金)**を抱えています。
このリスクがいつ表面化してもおかしくない時代に、
「金(ゴールド)」・「銀(シルバー)」だけが負債を伴わない本物の資産であることが、改めて強調されています。

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